グルメ
自身の舌で体得した本場イタリア流のカルボナーラが絶品!ミシュランガイド東京にも載る名店『リストランテ フィオレンツァ』
2016.02.02 italian/french
料理の世界で1,000人に1人の逸材を目指す
京橋3丁目に位置するイタリア料理店『リストランテ フィオレンツァ』のオーナー・橋本さんが料理人の道を歩み始めたのは18歳のとき。その背景には、和食・洋食店で料理人をしていた祖父・父のもとで育ったことも関係しています。しかしながら当時、工業高校に通っていた橋本さんの進路に賛成してくれる人はいませんでした。それがかえって心に火を付け、「料理の世界で1,000人に1人の逸材になってみせる!」という熱い思いを抱かせたと言います。
まず飛び込んだのは、フランス料理の世界。「外国に対する憧れ」「洋食は格好いい」という気持ちからでした。6畳一間の寮で他の従業員と共同生活を送りながらの修行の日々について、「仕事を覚えるにつれて、楽しさを感じるようになりました。みんなはレシピや調理過程を書き写して覚えていましたが、私は頭の中でまるで動画が流れているかのように覚えることができたんです。それも、どこからでも再生できるような。そのおかげで、先輩や料理長から面白い奴だと可愛がられるようになりましたね。自分でも料理人に向いているのではないかと思い始めました。」と橋本さん。そこからは、たちまち仕事を覚え料理長のアシスタントにまで昇りつめました。
1年かけて本場のイタリア料理に触れる
それから10年間はフランス料理に従事。イタリア料理店でも修行を積んだ後、自分の店を構えることを意識し始めると同時にマネジメントスクールで経営を学び、「イタリア料理が自分には合っている」とイタリア料理店を創業。店が軌道に乗るとスタッフに任せて、単身でイタリア・フィレンツェに渡ります。
「イタリアに渡ったのは、現地の生産者を訪ねるためです。フィレンツェを選んだのは、北にあるミラノと南にあるローマのちょうど中心だったから。どこに行くにも利便性が良く、車を走らせてチーズやワインなどの生産者のところへ足を運んだり、食事をしたりして本場のイタリア料理に触れました。」と当時を振り返ります。そしてこのフィレンツェでの1年余りの暮らしが反映されたのが、『リストランテ フィオレンツァ』なのです。
東京の中心に店を構える夢を実現
温かみのあるアットホームな門構えが目印の『リストランテ フィオレンツァ』は2007年創業。京橋に店を構えたのは、「東京の中心部、中央区に店を持ちたかった。」という憧れから。東京駅や銀座・日本橋からもアクセスが良好で、ランチタイムには近隣で働く方、ディナータイムにはワイワイと食事を楽しむグループ客が賑わいを見せる店内。「スーツケースを持って来店する方や、東京を観光している最中に来店する方が多く見られるのは、この立地ならではですね。」とのこと。舌の肥えた年配の男性グループの来店が増えたときは、「イタリア料理が浸透している」「自分の店が認められた」と喜びを感じたそうです。
知人の建築家に設計してもらったという店内には、テーブル席やソファー席、カウンター席があり、気の知れた仲間との食事から接待まで幅広く対応可能。壁に飾られた絵画も、ひと際目を惹きます。これは、「フィレンツェにあるレストランの窓から見えそうな、オリーブの林やぶどう畑といった田園風景」をイメージして、イタリア在住のだまし絵作家に書いてもらったもの。まるで、店内に大きな窓があり、外にのどかな風景が広がっているかのように感じられます。注目すべきは窓際に描かれたワインボトル。ラベルに店名が描かれているので、近くに座った際は見てみてください。
「生クリームを使わない」のがイタリア流
このように、フィレンツェの風を感じる店で作られる料理は、まさに本場イタリア流。人気メニューの「カルボナーラ」は、現地のレシピにもとづき生クリームを使わずに作っています。「生クリームやベーコンが入った日本のカルボナーラは、実はアメリカ流なんです。カルボナーラは本来、生クリームを使わずに作る料理です。」その言葉のとおり、出てきたカルボナーラは見た目から異なります。
生クリームを使ったカルボナーラは白っぽい色に仕上がりますが、『リストランテ フィオレンツァ』のカルボナーラは鮮やかな黄色。これは、卵の色がダイレクトに出ているから。具にも違いがあります。ベーコンではなく、豚肉を塩漬けにして乾燥させたパンチェッタを使用。具も違うならもちろん、香りも違ってきます。パスタソースとトッピングの粉チーズには、山羊のチーズを使用しているため、濃厚な香りが感じられるのです。パスタはモチモチとした太麺でソースがよく絡み、口の中いっぱいに卵とチーズの風味が広がります。これは、コクと個性のある山羊のチーズだからこそ出せる味。パンチェッタの塩気もチーズの旨味を引き立てます。生クリームのとろみはないですが、代わりにその分味がギュッと凝縮された一品となっています。このクオリティの高さで、特性のポテトフォカッチャとドリンクが付いたランチセットは1,080円。さすが、『ミシュランガイド東京2014・2015』で、ビブグルマン(コストパフォーマンスに優れた調査委員おすすめの店)に選ばれただけはあると、舌を巻きました。
ディナーはアラカルトコースで、その日の体調や気分で食べたいものを組み合わせることができます。特注品のワインセラーに眠る豊富な品揃えのワインと合わせて楽しむのも良いでしょう。
筆者がオーダーしたカルボナーラは、昼と夜とで味付けを変えて提供されています。ランチ・ディナーのどちらかしか足を運んだことがない方も、本場のカルボナーラをはじめとしたイタリア料理を堪能したい方も、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。
INFORMATION
名称 | リストランテ フィオレンツァ |
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住所 | 東京都中央区京橋3-3-11 京橋サウス1F |
電話番号 | 03-6425-7208 |
営業時間 | ランチ11:30~14:30、ディナー18:00~23:00 |
定休日 | 年末は30日まで、年始は2日から営業/たまに臨時休業 |
カード | VISA、アメリカン・エキスプレス、JCB、MasterCard |
Webサイト | http://www.carpediem1995.com/fiorenza/ |
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