グルメ

てんぷら一筋47年の職人技を目と舌で堪能『てんぷら深町』

2016.02.02 washoku/osake

骨董品好きの店主こだわりの食器で一流のてんぷらを

「あえて古く見えるように塗ってもらった」という味のある朱色のお盆が並ぶ檜作りのカウンター席。そこに座ると、洗練された所作でてんぷらを揚げる『てんぷら深町』店主・深町さんの姿を間近で見ることができます。
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深町さんが料理人を志したのは18歳のとき。近所に住んでいた都内の有名ホテルに勤める知人から影響を受けたのだと言います。そして、縁あって、神田駿河台にある『山の上ホテル』の「てんぷらと和食 山の上」に入店。27歳の若さで和食部門の料理長に就任しました。その後、「料理人に定年はない」という考えから、34年勤め上げた職場を52歳で退職し、2002年京橋に『てんぷら深町』をオープンさせました。

「京橋に店を構えたのは、“京橋の街が好きだから”です。高校生の頃からよく散歩をしていました。骨董品店やギャラリーがたくさんあるところがいいですね。骨董品の食器が好きで、休憩時間に覗きに行ったりもします。店で使う食器を探して歩くのが楽しみなんですよ。」そう語る深町さん。料理だけではなく、それを彩る食器にもこだわりを持っていることが伝わってきます。

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『山の上ホテル』の味を受け継ぐ

深町さんのこだわりはそれだけではありません。「料理の基本は、『山の上ホテル』時代に学びました。料理が趣味だという社長からはときに厳しく愛情を持って育ててもらいました。よくお店に顔を出して食事をしていくのですが、それはお客に安定した料理の味を提供するために妥協を許さないということの表れだったのだと記憶しています。ちなみに、店の看板の文字は社長に書いてもらったんですよ。」と、今もなお『山の上ホテル』の思いを受け継いでいます。

こだわりの食材選び

『てんぷら深町』を訪れるお客のなかには、「『山の上ホテル』のてんぷらが食べたい」という方も多いため、調味料は“山の上スタイル”を徹底しています。まず、てんぷらの味・食感・香りを左右する揚げ油は、『山の上ホテル』と同じ高級油の太白胡麻油を使用。原料を焙煎するのではなく、圧搾することで作られる無色透明・胡麻の香りがしないこの油は、口にして初めて胡麻の風味を感じることができます。「いい油を使わないと、食後に胃もたれするんですよ。」と深町さん。また、味の決め手となる天つゆに使う醤油も同様に島根県にある「太鼓醤油店」のこだわりの醤油を取り寄せています。

季節の移り変わりを感じられる一品

そんな『てんぷら深町』で食べられるのが、「特製かき揚げ天丼」。春はふきのとうやそら豆、夏はゴーヤ、秋から冬にかけてはアスパラガス、むかご、ゆり根、舞茸、みょうが、海老、蟹、帆立など築地市場で仕入れた旬の食材が贅沢に使われているのが特徴です。

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「てんぷらは素材を油で揚げるだけの料理。油と素材の味にはこだわっています。」という深町さんの言葉の通り、衣は白く薄く素材が透けて見えるほど。それでいてサクッとした歯ごたえをしっかりと残しているところは、まさに熟練の技だと言えるでしょう。野菜にはみずみずしさが閉じ込められていて、海鮮類にはプリッとした食感が感じられるところは、揚げる時間や素材を引き上げるタイミングの絶妙さを物語ります。野菜、海鮮類ともに旬の食材ならではの甘みがあり、まさに季節の移り変わりを体感できる一品だといっても過言ではありません。ホテルのレストランを退職する前に譲り受けたぬか床で作ったというぬか漬けは、「特製かき揚げ天丼」の味をより一層引き立ててくれる名脇役です。

「ランチタイムには近隣で働く方の姿が目立つ店内も、ディナータイムになると接待やデートなど落ち着いた雰囲気で利用される方が増えます。」という『てんぷら深町』では、ランチタイムには短時間で食べられる天丼、ディナータイムには時間をかけてゆっくりと食べられる定食やコース料理が充実。特に人気なのが、北海道産のうにを大葉で包んだ「生うに」や「車海老」「穴子」といった『山の上ホテル』時代からのメニューです。

昼と夜とで違った表情を見せる『てんぷら深町』で、熟練の職人技と老舗の味を堪能してみてはいかがでしょうか。

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INFORMATION

名称 てんぷら深町
住所
電話番号 03-5250-8777
営業時間 平日ランチ:11:30~13:30 ディナー:①17:00~19:00 ②19:30~21:30
土・日・祝ランチ:12:00~14:00 ディナー17:00~20:30
定休日 月曜日・第1・3日曜
カード 不可
Webサイト http://r.gnavi.co.jp/hvxdgrpj0000/

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