Kyobashi TIMES

日本では京橋でしか食べられないクロアチア料理

映画『紅の豚』や『魔女の宅急便』のなかで、ところどころ映し出される美しい海や街並み。「一度は足を運んでみたい」と、心を奪われた方は多いでしょう。しかし、これらが、クロアチアの風景だということをご存じの方はそう多くないかもしれません。クロアチアは、イタリアやオーストリア、ハンガリーにほど近く、大聖堂・宮殿のほかにも、数々の文化遺産が点在するアドリア海に面したヨーロッパの国。クロアチア政府観光局が日本に樹立した今でこそ、その魅力が浸透するようになってきたものの、まだ、多くの日本人にとっては馴染みの薄い国だと思います。

そんなクロアチアの魅力に触れることができるレストランは、日本で唯一、京橋にお店を構える『ドブロ』のみです。
オーナーの川崎さんは、『2002　FIFAワールドカップ』開催時、新潟県でキャンプをするクロアチア代表選手と接する機会があったことでクロアチアの魅力を知り、現地に旅行。その年には会社を退職して、クロアチアレストラン『ドブロ』をオープン（2003年）させました。

フロアごとにコンセプトが異なる店内はオーナーの手作り

「当初、実はクロアチア大使館がある広尾で物件を探していたんですが、いろいろと探し歩くうちに、京橋のこのビルにたどり着きました。今の物件に決めたのは、入口を入ってすぐの大理石の階段がクロアチアの建物の雰囲気に近いと感じたからです。どうやら、以前は宝石店が入っていたようですね。この地に店を構えたのは、まさに“縁”だと思っています。」川崎さんは、京橋にやってきた経緯をこのように語ってくれました。

実際に店内に足を踏み入れると、1階と2階で見事にコンセプトが分かれているのが見て取れます。川崎さんご自身が店内のデザインも担当。壁を取り払ったり、色を塗り替えるなどの作業もご本人で行ったそうです。1階はカジュアルレストランとして、アラカルトメニューが気軽に楽しめます。2階は落ち着いた木のぬくもりを感じさせるレストランとして、ゆったりとクロアチアの味を楽しんでいただける大人の空間となっています。席数は少なくコースメニューが中心で、記念日や接待・デートなど、大切な方とのお食事にピッタリ。店内には、クロアチア人の画家が描いたアドリア海の絵画が飾られていたり、現地で作られたテーブルクロスが使われていたりと、異国情緒たっぷりです。
日本ではあまりなじみがないクロアチア料理ですが、『ドブロ』ではメニュー名を分かりやすく表記してくれているので、何を食べたらよいのか迷うことはありません。特に、ランチはメニューが豊富。

クロアチア人シェフ直伝の本格的なクロアチア料理が楽しめる

平日の昼間は、京橋だけではなく、丸の内や銀座、日本橋からやってくるサラリーマン・女性客でにぎわう『ドブロ』には、手ごろな価格で食べられるランチメニューが充実しています。まずは、人気No.1の「牛ホホ肉の赤ワイン煮こみ」。肉厚な牛ホホ肉とガーリックライス、ペンネが添えられたメニューです。牛ホホ肉は、ナイフを使わなくてもほろほろとほぐれる柔らかさと、コクのある深い味わいが特徴的。肉がスッととろけるような食感に舌鼓を打ちました。ガーリックライスは食欲を刺激し、ほうれん草のペンネはまろやかですべての料理の味を調和してくれます。これだけの豪華で本格的な料理が1,200円（2015年9月現在）で食べられるコストパフォーマンスには驚かされます。

そのほかにも、写真左のボリューム満点の若鶏が2本ついた「カリカリ若鶏のコンフィと季節野菜のクリームリゾット」や、写真右の「本日の魚料理とリゾット」も人気。この日の魚料理は、大きなエビフライが3本と白身魚のフライでした。どちらも衣が薄く、素材本来の味を楽しめるのが魅力的です。身がプリッとした鮮度抜群の海老は、川崎さん自ら築地で仕入れてきた魚介類を使っているからこそ味わえるものなのでしょう。
「クロアチアは、アドリア海沿岸では魚料理、内陸では肉料理と、地域によって特色のある美味しい料理が楽しめます。」と川崎さん。自らも、定期的にクロアチアに旅行をし、最新の料理や情報を集めて技術・サービスに磨きをかけていると言います。
美味しいクロアチア料理を堪能しながら、日本では知り得ない現地の話を川崎さんから聞ける。『ドブロ』は、まるで日本から海外へ飛び立ったような気分にさせてくれるレストランです。クロアチアに興味がある方も、普段とは違う料理・雰囲気を楽しみたいという方も、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。