グルメ
大正時代から営む鶏肉店直営の料理店は
からあげ+ビールがお約束
2017.04.12 washoku/osake
東京・京橋で、1969年に開業した老舗居酒屋『京ばしとり安』。どこか懐かしい雰囲気と居心地の良さ、そして抜群のコスパで、いつも活気に満ちあふれているお店です。地元の常連客も多く、人気の掘りごたつの座敷席やテーブル席は予約が必須です。
京橋のビジネスパーソンのオアシスとして、センターポジションを確立し続けていられるのは、鶏肉そのものが美味しいから。それもそのはず、この居酒屋の母体は、創業90周年以上を迎える、茅場町の鶏肉卸専門店の『とり安商店』。ここから九州産を中心に、新鮮なひな鳥を厳選して仕入れており、その旨みがギュッと詰まった鶏肉は、揚げても焼いても美味。ちなみにこの卸専門店は、大手企業が運営する飲食店や、老舗レストランなど、味のプロからも信頼されています。
良質なお肉を食べられる名店として人気のとり安ですが、もう一つの名物は、生粋の江戸っ子である女将のチャキチャキとした接客です。いつも元気で笑顔を絶やさず、誰にでも気さくに応対し、時には喝を入れてくれる女将のファンも多数。そんな女将に、まずはおススメの料理を伺いました。
「ウチに来たら、定番メニューの『から揚げ』を皆さん注文なさいます。ふわふわの衣がサクッと揚がっており、かみしめると旨みがじゅわっと広がります。テレビや雑誌に多く登場し、多くの人に美味しく召し上がっていただいていますね。初めていらっしゃった方は、“このボリュームでこの値段!?”と驚きますが、ウチは卸問屋がやっていますからね、安くて美味しいのは当たり前なんです。」(女将)
骨付きのぶつ切り肉が、お皿にどっさり乗った「から揚げ」550円
「焼き鳥」は写真左から、ささみ味噌漬け、ひな皮、うだま(ぼんじり)、いかだ、レバー1本各210円
とり安は、メニューも豊富。使う素材は基本的に鶏肉と野菜だけなのに、常時80以上もの料理がズラリ。『鳥卵巣のピリ辛煮』450円、『ささみユッケ』550円など、他店ではお目にかかれないようなメニューも豊富です。
「鶏肉の横隔膜など珍しい部位を使った料理もありますよ。ウチの料理長が毎月、いろいろ新メニューを開発してお店のスタッフで試食するんです。そこで好評だったものを、お客様にもご提供しています。いつ来ても新しい料理に出会えると、お褒めの言葉をいただくこともあります。」
今でこそ、食材の卸専門企業が営む飲食店は多いですが、約50年前にオープンした『京橋とり安』は、今の潮流を作ったパイオニア的存在ともいえます。
「最初からこの形態だったわけではなく、もともとは現在のマスターのおじいさんにあたる人が、明治の終わりごろに日本橋で『鳥安』という料亭を経営していたのが始まりです。名古屋から、当時珍しかった名古屋コーチンを持ってきて、お店は繁盛したそうです。日本橋白木屋(後の東急百貨店)の地下食料品売り場に焼き鳥専門の売店もオープンしました。今でいう“デパ地下”の第一号店ですね。料亭は閉店しましたが、その後大正時代に入り、2代目(マスターのおとうさま)が茅場町に鶏肉専門卸問屋を開業し、こちらは今も続いています。この居酒屋とり安は、今のマスターが、おいしい鶏肉料理に親しんでいただきたいという思いからスタート。おとうさまの鶏肉問屋より、九州産のとり安ブランドのヒナだけを仕入れるなど、そのこだわりは受け継がれています。そんな歴史とともに、京橋の皆様に愛されて今に至っているんです。」
京橋で50年近くの歴史を誇る『京ばしとり安』。これからもビジネスパーソンの心のオアシスであり続けるでしょう。鶏肉にかぶりつきつつ、ビールをグビっと飲めば、一日の疲れも吹き飛ぶというもの。店内は、今日も活気にあふれています。
INFORMATION
名称 | 京ばしとり安 |
---|---|
住所 | 東京都中央区京橋2-6-14 日立第六ビル 1F |
電話番号 | 03-3561-2340 |
営業時間 | 11:30〜14:00、17:00〜22:30(L.O. 21:30) |
定休日 | 土曜、日曜、祝日 |
カード | AMEX、VISA、JCB、Diners、DC、UC、UFJニコス、MasterCard、セゾン |
Webサイト | http://kyobashi-toriyasu.jp/ |
RELATED POSTS 関連記事
RECENT POSTS 最新の記事
SNAP 京橋スナップ