グルメ
仕込みに3日以上かけるカレーを食べ、お仕事モードを一時停止
2017.07.10 yoshoku/seiyou
東京・京橋で働く人や地元の人に“美味しいランチのお店はどこ?”と聞くと、多くの人が名前を挙げる『3丁目のカレー屋さん』。多種多様なスパイスをブレンドした、オリジナルレシピのカレーは一度食べると忘れられなくなるとか。
地下一階にあるお店に伺うと、落ち着いた照明で、空間がとても広くとってあり、耳に優しくクラシックが流れ、リラックスした気持ちに。ビジネス街のランチというと、狭いスペースで急いで食事をするというイメージがありましたが、ここは真逆。誰かの隠れ家に迷い込んでしまったような雰囲気の中、落ち着いて食事をすることができる。 「いらっしゃったお客様に、短い時間であっても、喧噪から離れ、日常から離れてリセットしていただきたい。そんな思いから、席数を増やさずに、隣の方が気にならない空間作りを心がけました。雰囲気だけでなく、家具選びにも注意を払いました」(店主・大沢悠二さん)
開業当時、テーブルの大きさや高さ、広さに納得がいくものがなかったので、大沢さん自身が作ったとか。木の表紙のメニューも大沢さんの手作りです。
子どもの頃から“何かを作る”ことが大好きだったという大沢さんが生み出すカレーはどれも絶品。カレーは4種類あり『焼きチーズビーフカレー』、『シーフードカレー』『菜色カレー』『根菜とキノコのカレー』とありますが、どれも仕込みの素材、工程が全く異なるとか。
「使用する素材に合わせて、スパイスからブレンドして、3日以上かけて仕込んでいます。ですから、同じお店のカレーですが、食べ比べてみると、全く味が異なることに驚く方も多いです。カレーはとても繊細な食べ物で、自分の体調や、温度や作業工程などちょっとした変化で味がブレてしまうもの。そうならないために、毎日が真剣勝負というか。もう12年も作り続けていますが、今でも試行錯誤を重ねています」(大沢さん)
大沢さんは、いつもは厨房の奥で、美味しいカレーを作り続けている。どれも手間がかかっており、例えば人気メニューの『焼きチーズビーフカレー』は、煮込んだカレーソースに、お肉やスパイスを足して、味を調えている。
「欧風のカレーは濃厚なのですが、煮込む工程でスパイスの香りが飛んでしまうのが難点でした。まろやかさを維持しながら、香りも加えたくて最終的に味の調整をしています。ふだんは厨房にしか立たない私は、お客様に会うことはほとんどないので、下げられてきた器を見ながら、反省点を模索しています」
『焼きチーズビーフカレー』1400円。多くの野菜と果物をビーフと一緒に煮込み、専用にブレンドしたスパイスで仕上げている。ごはんの上にカレーがかかり、チーズを乗せてオーブンで焼き上げており、香ばしい。ミニシュークリームのデザートが付く。
カレーを作り続けて12年の大沢悠二さん。4種類のカレーは、天候に合わせて毎日微調整をしている。奥のオーディオ機器から、優しい音色のクラシックがかかる。
大沢さんは、子どもの頃から京橋に遊びに来ていたと続けます。 「この辺りは昔から画廊や古美術商が多く、文化的で落ち着いた雰囲気があります。銀座とも日本橋とも異なり、やはりホッとします。ここ数年、街全体が活気づいてきたことを感じます。時代は変わっても、私は私のカレーを一生懸命作り続けるだけ。多くの人に喜んでいただけると嬉しいです」(大沢さん)
INFORMATION
名称 | 3丁目のカレー屋さん |
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住所 | 東京都中央区京橋3-9-9 ウィンド京橋ビル B1F |
電話番号 | 03-3567-6767 |
営業時間 | 11:00~15:00(L.O.14:30)、18:45〜20:45(L.O. 20:15)※水・木・金曜のみ |
定休日 | 第2・4・5土曜、日曜、祝日 |
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