グルメ
江戸情緒ある名店で、どんぶりや魚料理に舌鼓
2018.09.14 washoku/osake
今回の『京すし』は、明治時代に創業しています。つまり、現在お店を構えている「京橋エドグラン」が開発される以前から、この地にあったお寿司の名店。建設に伴い休業していましたが、再オープン後に多くのファンがやってきたことも話題になりました。京橋のランチ情報をリサーチしていると「『京すし』の鉄火丼が最高だよ」とか「あのふっくらとした煮魚は自宅では絶対に作れない」などの声が上がってきます。
12時過ぎには売り切れてしまうメニューもあると聞き、開店前の11時20分に訪問。木や暖簾を効果的に使い、江戸の粋を感じさせる凛としたたたずまいは、旧店さながら。入り口前には、開店10分前にも関わらず行列ができています。
余談ですが、京すしの先代である四代目・岡田親さんは、錦絵画家としても有名。江戸町火消錦絵師として活躍しており、 ジャズ・ベーシストの故レイ・ブラウン氏のCDジャケット、直木賞作家・山本一力氏の『まとい大名』の表紙も担当しているそう。現在の京すしは、五代目である息子さんが切り盛りしています。
ランチメニューの基本はどんぶり。いわゆる“ひかりもの”と言われる具材が人気を集めている。
迷わず選んだのは、多くの人を魅了する「鉄火丼」ですが、オーダーしようとしたら、「はーふ&ハーフ丼」がありました。鉄火だけではなく、あじ、さば、かんぱちのいずれかのネタから2種選ぶことができるという。せっかく来たのだから、多くのネタを楽しみたい。そこで、鉄火と一番人気だというあじのハーフ丼をオーダー。
席は個室とカウンターがある。今回はカウンターだったので、目の前で五代目がキビキビと調理する様子を見ながら待つことができました。
あじと鉄火の「はーふ&ハーフ丼」1,120円(税込)。これにシジミの味噌汁が付く。
酢でしめられたあじと、漬けになった鉄火は、ほぼ均等量。酢飯の上に敷き詰められた鉄火に箸を運ぶと、醤油がしみこんでいるのに、マグロの旨みがしっかりと立つ。漬けにしたマグロは、余分な水分が抜け、ねっとりとした舌触りに仕上がっています。雑味が一切なく、この丼を食べるために、わざわざ遠くから来る人がいるというのもうなづけます。
あじは、程よい甘さがある酢でしめられていて、しっとりとした食感。ネタの下には、刻まれたガリがのった酢飯が。ご飯と一緒に食べても美味しいですが、まずはネタだけ食べて、魚の旨さを堪能したいもの。
醤油用の小皿が出されるので、わさび醤油にして丼にかけてもいいですし、ネタがしっかりと味付けされているので、そのままでも十分。ランチに感動した人が、夜に来て握りとお酒を楽しむことが多いというのも納得です。
丼のあまりの見事さに感動し、別日に食べに来た「煮魚膳」1,400円(税込)。魚は週替わりで、この日はふっくらしっとりと仕上げられた、カレイの煮つけでした。小鉢に刺身がつき、出し巻き卵も。これがハッとするほど美味しく、一口含めばじゅわっと出汁があふれます。甘めの味付けなので、デザートとしてとっておきたい一皿。
カレイは身がしっとりとしており、脂が乗っている。絶妙な火入れ加減だから完成する味を楽しめる。
かつて京橋の地あった老舗が、再開発によってお店も新しくなり、代も替わった……そこに、何代にもわたって培われてきた伝統の味が、再び多くの人を魅了していく。昼も夜も通う人が多いことがわかるお店でした。
今回食べたランチ
はーふ&ハーフ丼(鉄火入りハーフ)1,120円(税込)
煮魚膳 1,400円(税込)
INFORMATION
名称 | 京すし |
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住所 | 東京都中央区京橋2-2-1 京橋エドグラン 1F |
電話番号 | 03-3281-5575 |
営業時間 | 【ランチ】11:30~14:00(L.O.13:30) 【ディナー】17:30~22:00(L.O.21:00) |
定休日 | 土・日・祝 |
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