Kyobashi TIMES

ここ京橋は、丸の内などのビジネス街や、世界中から観光客を集める街・銀座に隣接していることに加え、築地に近いこともあり、老舗寿司屋が数多く立ち並んでいます。なかでもここ「真寿司」は、昭和通りから一本入った通りに面したビルの地下1階にお店を構える、知る人ぞ知る老舗寿司屋。京橋にある老舗店と聞くと、敷居が高い印象を受けますが、熟練寿司職人であるおだやかな人柄の大将と、やさしい女将さんがあたたかく迎え入れてくれ、「居心地がいい」と若い世代からも人気を集めています。

「真寿司」の魅力は、居心地の良さだけではなく、良心的な価格でいただけるところ。並にぎりは800円（税込）、上にぎりでも1,200円（税込）と、気軽に匠の寿司を楽しめるとあって、舌の肥えたご年配の方から若い方まで、幅広い世代から愛されています。お手頃な価格設定にもかかわらず、ネタの新鮮さは抜群。さらに、すべての品にお味噌汁とお蕎麦まで付いているというのだから、驚きです。

平日の11時半すぎ、ネオン看板と手書きのメニューボードが置かれているビルの正面に到着すると、ぞろぞろと地下へ下りていく複数の男性客の姿が。その流れに便乗し、地下の扉を開けると、店内は9名ほどが座れるL字型のカウンターがあり、既に満席の状態でした。15分ほど入口で待った後、女将さんから優しく声をかけられ、着席。こじんまりとした店内は、どこか懐かしく、ぬくもりを感じさせてくれます。

お品書きをチェックすると、並にぎり、並ちらし、並にぎり1.5人前、上にぎり、上ちらしといったラインナップ。大将から「女性ならば、並にぎりがおすすめですよ。1.5人前と、ぜひ食べ比べてみてください」と、勧められるままにそれら2品をオーダーすることに。注文後、ぼんやり大将の手元を眺めていると、その無駄のない手数に熟練の技を感じます。これみよがしなところがなく、リズムよくサッと整える程度に軽やかに握る姿に、ますます期待が高まります。

はじめに、いただいたのが「並にぎり」。こちらは800円（税込）ですが、少し前までは850円だったところ、お客の声に応えて値下げしたのだとか。そんな大将の思い遣りを感じられるところからも、「ホッとなごむ、あたたかいお店」の評判にうなずけます。ネタはというと、鮪、えび、ひらめ、たまご、サーモン、さらにはいくらとトロ巻きが添えられています。まず、ひらめをいただくと、淡白な味のなかに上品なうま味が口いっぱいに広がります。評判の鮪は、口あたり優しく、じんわり広がる甘みがたまりません。さらに、お蕎麦も細切りながらコシのある食感でお口直しにぴったりです。

続いて、「並にぎり1.5人前」をいただきました。1.5人前は予想を超えるボリューム。このボリュームが、1,000円（税込）でいただけるなんて、なんとも贅沢です！ やや多めのシャリに大ぶりのネタが乗り、ガッツリ食べたい男性も存分に満足できるほどのボリューム感。隣のサラリーマンの男性が、「ふ～…食ったなぁ」と、心から満たされている様子が印象的でした。

ほんのりと脂が乗ったイナダと酢でしめたイワシが食欲をそそる。お寿司のシャリはやや甘めの酢飯で、食べ応えのあるサイズ。

お腹も心も満足させてくれる「真寿司」に惚れ込んだ常連さんが多く、「大将、いつものお願い！」とオーダーする方や、大将と世間話を楽しむ方の様子から、長年愛されてきたお店であることを感じます。味や雰囲気にこだわる上司とのビジネスランチはもちろん、一人でホッとくつろぎたいときにもおすすめのお店です。

今回食べたランチ
並にぎり（800円・税込）
並にぎり1.5人前（1,000円・税込）

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