グルメ

洋食から和食へ進化した「とんかつ」を堪能 和洋料理きむら

2019.07.16 washoku/osake

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「和洋料理」という看板を掲げているお店を見たことはありますか?和食でも洋食でもない「和洋料理 きむら」。老舗割烹のような佇まいですが、入り口の横には大きく「とんかつ」と書いてあるのが印象的です。「和洋料理」とうたっているわけですから、とんかつ専門店ではありません。それにも関わらず、京橋でとんかつを食べるなら「きむら」と言われるほどとんかつが人気の店です。ちなみにとんかつの語源は、フランス語の「コートレット(cotelette)」だと言われています。本来は豚肉や羊、子牛の骨付き肉をおもに使用しますが、明治時代に西洋料理が日本に入ってきた際に、肉にパン粉をつけてバターで焼いた料理のことを「コートレット」と呼び、発音しにくいことから「カツレツ」になったようです。当初カツレツは日本ではあまり受け入れられず、豚肉に衣をつけて揚げた「ポークカツレツ」が東京・銀座で誕生し、全国へ広がったのだそう。
「カツレツ」は「洋食」の扱いであったため、当初はご飯ではなくパンが一緒に提供され、添え物もキャベツの千切りではなく温野菜でした。その後、客から「ご飯が欲しい」という要望や、揚げ物の添え物として温野菜よりもさっぱりと食べることができるキャベツの千切りに代わるように。また、ナイフとフォークは食べにくいという意見から、箸でも食べられるように切った状態で出されるようになり、現代の「とんかつ」の形になりました。「きむら」のとんかつは、そうした洋食から和食へ変化を遂げたとんかつの歴史をふまえ、「和洋料理」という肩書をつけるようになったそうです。戦前から酒屋として商いをしていた先代が、洋食修行をしたのち、昭和22年に今の「きむら」を開業しました。

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11時半の開店後、続々と席は埋まり、正午の少し前には満席になりました。早速、一番人気の「とんかつ定食」980円(税込)と「ミックスフライ定食」1,600円(税込)をオーダー。山盛りのキャベツ、ご飯と赤だしの味噌汁、ポテトサラダ、お漬物が付いてきます。

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大きめのパン粉をまとった衣は、サクッと揚げられ軽やかで、くどさはまったくありません。赤だしの味噌汁の具材はわかめとネギ。ダシがきいたすっきり味の赤だしは、とんかつをさっぱり食べ進めさせる名脇役です。
「ミックスフライ定食」は、ヒレカツ、エビフライ、ホタテのフライの3種類。大ぶりのエビフライはエビのしっぽまで衣をまとった珍しいタイプ。香ばしく揚げられているのでしっぽまでおいしく食べられます。ホタテも身が大きく立派です。びっくりするほど厚みがあり、絶妙な火加減でしっとりと甘みがあってプリプリでした。

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ご飯とキャベツがおかわり無料(2回まで)なのは、うれしいサービス。お客さんの8割が近隣のビジネスパーソンである理由がわかります。「ツヤツヤでおいしいですよ」と女将さんが教えてくれたご飯は、お米を新潟から取り寄せたこだわりのもの。ランチは1階のみの営業ですが、2階に個室が3室あり、夜は会合や接待にも使えそうです。メニューも、とんかつなどの揚げもの以外に、珍味やあぶりものなど、店主が毎朝築地で仕入れる旬の食材を使った和食と洋食メニューをお酒とともに楽しむことができます。次回は、夜に訪問してみたいと思います。

今回食べたランチ
とんかつ定食:980円(税込)
ミックスフライ定食:1,600円(税込)

ランチマップを見る

INFORMATION

名称 和洋料理 きむら
住所
電話番号 03-3561-0912
営業時間 【ランチ】[月~金]11:30~13:30
【ディナー】[月~金]17:30~21:00
定休日 土・日・祝日

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