Kyobashi TIMES

東京メトロ銀座線の京橋駅から徒歩2分、都営地下鉄宝町駅から徒歩1分の、九州居酒屋「かてて」。表通りからちょっと入った静かな通り沿いの「アパホテル銀座 京橋」の1Ｆにある、スタイリッシュなお店です。
九州でよく使われる「かてて（仲間に入れて）」という店名にふさわしく、店内は木を基調としたインテリアで、アットホームな雰囲気に満たされていました。

ランチのメニューは、常時11種類から選べるという充実ぶり。「チキン南蛮定食」（999円）、「長崎チャンポン」（999円）、「知覧とりまぶし」（1,200円）、「鶏からあげ定食」（999円）、「鶏からあげ昭和コロッケ定食」（999円）、「塩さば焼き定食」（999円）、「しょうが焼き定食」（999円）、「だご汁定食」（980円）、「醤油あんかけ炒飯定食」（980円）、「高菜炒飯定食」（980円）、「長崎皿うどん」（999円）と、九州各地の「うまいもん」を集めたラインナップです。肉類・麺類・ご飯もの・汁物系と、網羅しているので、男性女性問わず、気分やお天気、お腹のすき具合によって、ぴったりのものを選べます。（価格は全て税込)

メニューには、詳しい説明書があり、例えば熊本名物の「だご汁定食」には、「10種近くのその時の野菜と野菜の甘み旨味を抽出した出汁がきいた健康定食。柚子胡椒を入れればもうそこは九州の大地が見えてくる」と書かれています。どれもおいしそうで、真剣に悩んでいると、お昼休みが終わってしまいそう！
本日は、宮崎名物の「チキン南蛮定食」と熊本名物の「だご汁定食」をいただいてみることにしました。

「チキン南蛮定食」は、たっぷりとタルタルソースがのったチキン南蛮、麦ご飯、味噌汁、付け合わせの小皿2品です。メインのチキン南蛮は、からりと揚げられた衣が香ばしく、ジューシーなもも肉に甘酢タレと濃厚なタルタルソースで、絶妙のおいしさです。新鮮なわか鶏のもも肉1枚分というボリュームですが、たっぷりのレタスと一緒にいただけるので、女性にもお薦めです。高菜漬けと明太子の小皿、青菜ともやしのあっさり和え物も優しい味わいで、ごろごろ野菜の入った具沢山味噌汁をいただけば、お腹も心も大満足、栄養バランスもバッチリなランチでした。

もうひとつの「だご汁定食」は、鉄鍋にたっぷり入った「だご汁」に麦ごはん、小鉢が4品も付いています。大きめの角切りにされた大根、にんじん、かぼちゃ、こんにゃく、しめじと「だご」がたっぷり入った「だご汁」は甘めの麦みそ味。味のしっかりしみた野菜の旨味が、じわじわと身体にしみてきます。テーブルに置かれた「柚子胡椒」を入れると、甘さと辛みでまた別格の味わいを楽しめました。
小麦粉をこねて、それを手で延ばしてちぎった平たいだんご(＝だご)を入れた「だご汁」は、元々は日々忙しい農家で作られていた食べ物でしたが、今では熊本県を代表する郷土料理となっているそうです。
付け合わせの小鉢もどれもおいしく、特に柚子胡椒の効いたポテトサラダは新感覚のおいしさでした。野菜をたくさんいただけて、さまざまな味も楽しめる、身体にやさしいメニューです。

ちなみに、「だご汁」に入れた柚子胡椒ですが、もともとは九州発祥の調味料であることをご存知でしょうか。大分発祥説や福岡発祥説など諸説ありますが、九州北部の柚子の産地で盛んに作られ、愛用されてきたようです。唐辛子を粗刻みにし、ユズの果皮と塩を入れて磨り潰し、熟成させたもので、「胡椒」というのは九州に残った方言で「唐辛子」のことを指すのだとか。地元では、「ゆずこしょう」ではなく「ゆずごしょう」と呼ばれているそうです。定番の青唐辛子・青柚子のほかに赤唐辛子・黄柚子を用いたものもあり、用途や好みによって使いわけている方もいるでしょう。今ではすっかり全国的に定着し、鍋料理や汁物、お刺身、焼き鳥、パスタやドレッシングまで、幅広く活用されていますね。
「かてて」でランチをいただくと、九州の食文化の豊かさや奥深さを実感できます。九州ならではの「うまいもん」を、ぜひ味わっていただきたいです。

写真は開店直後の店内。間接照明のやさしい灯りでくつろぎの空間となっています。12時近くになると行列が出来るほどの人気店ですが、カウンター席もあり、女性一人でも男性一人でも入りやすい雰囲気です。ヘルシーランチからボリュームランチまで、あなたのお気に入りが必ず見つかりますよ！

今回食べたランチ
チキン南蛮定食　　999円（税込）
だご汁定食　　　　980円（税込）