Kyobashi TIMES

ビジネスの街、という印象が強い京橋ですが、一方で画廊や古美術商が集まるエリアでもあります。現在、この地を舞台に「アートと文化が誰にも近い街」というコンセプトによる街づくりが進められているのをご存知でしょうか。
その一端を担うのが、東京メトロの京橋駅と日本橋駅、JR東京駅からそれぞれ徒歩5分の立地にある「ミュージアムタワー京橋」内の「アーティゾン美術館」。こちらは1952年に開館したブリヂストン美術館を前身とする美術館で、名前も新たに2020年1月にリニューアルオープンしました。ARTISON（アーティゾン）はART（美術）とHORIZON（地平）を合わせた造語です。伝統を守るだけではなく、新しい地平を捉えながらアートや美術館のあり方を考えていきたいとの想いが込められています。

美術館入口となる1階にあるミュージアムカフェは、入館料を払わなくても入ることができます。店内は、美術館内のカフェらしく洗練された雰囲気。2階まで伸びる大きなガラスは電動回転扉となっていて、ガラス扉を開けるとオープンカフェにもなるそうですよ。
ランチタイムは11時30分からですが、モーニングメニュー限定のガレットも人気だということで、11時に来店し、まずは「サーモンのガレット（1,320円）」のドリンクセット（プラス440円）をつけてオーダー。

「サーモンのガレット」は、北海道産とイタリア産そば粉をブレンドした生地に、卵、チーズ、ヨーグルト、信州サーモンのマリネをトッピング。卵黄を絡めていただくと、バターとハーブの豊かな香りと風味がふんわり。パリパリに焼かれた生地も美味！ガレットについているサラダはロメインレタス、くるみ、リンゴ。彩りと栄養バランスもよく、ブランチにぴったりのセットですね。
ポットで提供されるセットのハーブティーはとてもエレガントな香りにすっきりとした味わいです。

11時30分からのランチメニューは、プリフィックススタイルで3コースです。
Aコース（1,980円）は、パスタ・リゾット・メイン料理のメニュー8種類から選択、プチデザート、食後のドリンク。
Bコース（2,860円）は、Aコースに、プラス前菜がつきます。
Cコース（4,180円）は、前菜、パスタかリゾット、メイン料理、デザート、食後のドリンクのセットで、Bコースのデザートがフルポーションとなります（価格はすべて税込）。

今回はA～Cを網羅できるCコースをオーダーしました。

最初にデトックスウォーターとパンがサーブされます。フルーツとハーブが入っていて見た目にも上品です。
パンに添えられているジャージー牛の塩ホイップは、ふんわり軽い口触りだけどコクがありとっても美味しい。オリーブオイルもフルーティで香り豊か！お料理への期待が膨らみます。

前菜は3種類の中から「あん肝とブリオッシュ」を選びました。こちらは美術館で開催中の展覧会「琳派と印象派 東西都市文化が生んだ美術」とのコラボレーションメニューです。
尾形光琳の「流水図広葢」をイメージして、ブリオッシュに味噌、金柑のコンフィチュールを添えて、凍らせたあん肝のテリーヌとミモレットチーズを削って仕上げた前菜だそうです。あん肝と味噌のコク、金柑の風味が口の中に広がり、味のハーモニーを楽しめるひと品でした。エディブルフラワーが飾られた見た目にも心浮きたちます。

二品目は卵黄を練り込んだタリアテッレを使った「ウニの平打ちパスタ」。ウニバターソースの濃厚なコクと、マッシュルームのフレッシュ感とのバランスが絶妙！仕上げのグラナパダーノがまたいい味を出しています。

メインは「豚フィレ肉巻き」
国産フィレを網脂、ベーコン、サラミで肉巻きにして旨味を閉じ込めたひと品です。付け合わせの百合根、生きくらげ、マスタードスプラウトも美味しく、何より厚みのあるフィレ肉の柔らかさにびっくり！

デザートは「ナッツとラムレーズンアイスのクレープ」を。キャラメリゼされたナッツのほろ苦さや口の中いっぱいに広がるラムの風味が大人の味わいです。トッピングされているのは芋チップ。薄くぱりっとした食感がアクセントになっています。

どのお料理も美味しい上にアーティスティックです。食後にコーヒーをいただいて大満足のランチでした。コース仕立てのランチは、美術展鑑賞後の余韻に浸ることもでき、優雅にゆったりとランチしたい時におすすめです。

今回食べたランチ
「サーモンのガレット ドリンクセット」1,760円（税込）
「Cコース」4,180円（税込）