グルメ
日本を代表する菓子職人が営む京橋の名店
2021.03.26 cafe/sweets
東京メトロ銀座線「京橋」駅の1番出口から徒歩約2分。出版社や画廊が立ち並ぶ通りにパティスリー「Hidemi sugino(イデミスギノ)」はあります。
オーナーシェフを務める杉野英実さんは、パティシエの世界大会で優勝した経験を持つ国内屈指の菓子職人です。イデミスギノで提供しているケーキは、ほぼすべて杉野さんのオリジナル。特に、ムース系のケーキは味わいとくちどけを重視しており、その優美な口当たりを求めて連日多くの人が訪れます。この日も開店前に到着したにも関わらず、店先にはすでに行列ができていました。
ショーケースには美しいケーキがずらっと並んでいます。芸術作品のように美しいケーキは、味覚はもちろん視覚も楽しませてくれます。
ちなみに写真を外から撮影しているのは、店内は撮影禁止のためです。これは、「生菓子は繊細なもので、その瞬間瞬間で味が変わっていってしまうから、店内では食べることに集中してほしい」というお店のこだわりから生まれたルール。その想いから、イートインでしか食べられないケーキがたくさんあるので、来店される際は時間の余裕を持って店内でその味を堪能されるとよいでしょう。
ちなみに、「ムース」はどんな経緯で誕生した食べ物かご存じですか?ムースの歴史は意外と長く、1600年代の後半のフランスで誕生したそうです。当時のフランスでは、「噛んで音を出す」行為は下品とされていました。そのため、噛まずに口にできるムースが流行しました。
しかし、フードプロセッサーやミキサーがない時代にムースを作るには大変な労力がかかります。時間も体力もすり減らす割には、一度に少量しか作れない……。徐々に、ムースは食卓から遠のいていきました。
しかし、20世紀に入り、さまざまな調理器具が登場した現代。ムースが再び流行します。魚や肉、果実といったあらゆる食材がムースにされ、そのくちどけの良さから老若男女問わず愛されるようになりました。
ムースを口にするとき、その歴史について想いを馳せるとより一層食事が楽しくなりそうですね。
さて、本日いただいたのは「フィグフィグ」、「ビエジリエンヌ」、「タルトレット・オ・キャラメル」の3種類のケーキ。
写真は左からタルトレット・オ・キャラメル、ビエジリエンヌ、 フィグフィグ
「フィグフィグ」はラズベリーとイチジクが乗ったムースケーキ。ピンクの甘い見た目とは裏腹に、スパイシーな香りが口いっぱいに広がる大人なケーキです。
イチジクのムースとジュレをラズベリーのムースで包み込んでいて、口にするとシュワッととろけます。
スパイシーな香りは土台部分から。シナモンとカルダモンの刺激的な匂いで食欲が掻き立てられます。
ムースはしっかり甘いけど、土台に効いたスパイスのおかげでさわやかな後味。甘いものが苦手な人にもおすすめしたい一品です。
「ビエジリエンヌ」はコーヒーとキャラメルの二層のムースが楽しめるケーキ。口にすると、ビターな甘みがフワッと広がります。
上のムースはコーヒーベース。しっかりと苦味を感じられる大人な味わいです。
下のムースはキャラメルベース。コーヒームースとは対極的に、しっかりとした甘みが口の中に残ります。
ふたつのムースの間にはスポンジを挟んでいて、ムースとスポンジを一緒に食べることで食感も楽しい!
甘みと苦味、対照的なふたつの味が絶妙にマッチしたケーキは、ブラックコーヒーをお供にするとより一層その味が引き立てられます。
最後に紹介する「タルトレット・オ・キャラメル」は、シェフが特にお勧めするケーキのひとつ。ナッツやドライフルーツをたっぷり閉じ込めたタルトのうえには、もふっとした食感の濃厚な生クリームが乗っています。
バターがフワッと香りる硬めのタルトの中には、ピスタチオ、アーモンドといった数種類のナッツと、アプリコット、レーズンなどの洋酒を効かせたドライフルーツがぎっしり。それらを苦めのヌガーで閉じ込めているタルトは、色々もしくは様々な味と食感があるのに、口にすると不思議とひとつにまとまります。
タルトの上には生クリームがたっぷり。一緒に食べることで、硬めでビターなタルトと、フワッと軽い甘い生クリームの絶妙なコントラストが楽しめます。
食事に集中できるよう、落ち着いた雰囲気の店内には24席を用意。テーブル席のほか、ソファー席もあります。 店内には日本画家の福本正さんが手がけたパッケージデザインやアートが並んでいて、食事の合間に楽しむことができます。
味、食感、見た目、そして空間も丁寧に作り込まれたHidemi suginoの世界。ケーキは季節によってラインナップも異なるので、定期的に通いたいお店です。
今回食べたもの
フィグフィグ 820円(税込)
ビエジリエンヌ 820円(税込)
タルトレット・オ・キャラメル 820円(税込)
INFORMATION
名称 | Hidemi sugino(イデミスギノ) |
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住所 | 東京都中央区京橋3-6-17 京橋大栄ビル 1F |
電話番号 | 03-3538-6780 |
営業時間 | ※定休日・営業時間は変更となる場合があります。詳細は店舗にご確認ください。 [火~土曜]11:00~18:00 (L.O.17:00) |
定休日 | 日曜、月曜 |
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