Kyobashi TIMES

『京橋エドグラン』の地下1階に広い店舗をかまえる『京橋モルチェ』。80年以上京橋の人々に愛されてきた、京橋で洋食屋さんといったら必ず名前が上がる名店です。

『京橋モルチェ』ではテイクアウトをする場合、あらかじめ注意することが2点あります。当日の午前中までに予約が必要な点、受け渡し時間が当日の15時から18時までと限られている点です。時間に余裕をもって必ず予約して伺いましょう。

テイクアウトできるメニューは『伝統のハンバーグ』と『特製南部鶏のカレー』の二品です。
『特製南部鶏のカレー』を選ぶ場合は、カレーとチキンがそれぞれ真空パックでの受け取りになり、ご飯は別途自分で用意する必要があります。そのため、オフィスへ持ち帰って食べるというよりは、自宅で軽く調理が必要なのでご注意を。

今回は前日に電話をし、前述したように注文と一緒に受け渡しの希望時間を伝えて予約しました。

当日、事前に伝えていた希望時間に受け取りに行くと、お店が明治屋関連会社ということもあり、明治屋のすてきな紙袋に入れられて丁寧に渡してもらえます。ちょっとした特別感を感じがら、慎重に持ち帰ります。

環境に優しいエコパックに入っていて、そのまま電子レンジにも使用できます。
エコでありながら便利とは、ありがたい考慮ですね。テイクアウト対応ができるお店が増える中、環境に優しいエコ容器が採用されているお店を選ぶことで、サスティナブル（持続可能）な暮らしを実感できるのは嬉しいことです。

彩り豊かなハンバーグとトマトソースのナポリタンスパゲティが、二つに仕切られて盛りつけられています。テイクアウトでもお店さながらの見栄えです。
ハンバーグにはくぼみがあり、そこにヤングコーン、カリフラワー、にんじんなど野菜や、ゆで卵の付け合わせがのせられています。
メインのハンバーグはこぶしほどの大きさがあり、かみしめるとじゅわっと肉汁が溢れます。あらびき肉の肉々しい食感もたまりません。自家製ワインの効いたデミグラスソースは奥行きのある味わいで、老舗の貫録を感じます。

ナポリタンスパゲティはトマトやベーコンがたっぷりと入り、ボリュームがあります。
ナポリタンといえば、トレンドの純喫茶でも定番になっている昭和懐かしメニューのひとつですよね。ナポリタンの発祥の地はイタリア・ナポリではなく、日本であることをご存じの方は多いはず。では、日本のどこで生まれたのでしょうか？

時は第二次世界大戦の終戦間もない頃に遡ります。当時、横浜のホテルを利用していた進駐軍が大量にケチャップとパスタを持ち込んでいました。そのケチャップとパスタをただあえただけの、なんとも味気ない食事をしていたそうです。それを見かねたホテルのシェフが、トマトソースを使って味付けや具材を加えて提供したものがナポリタンの始まりだといいます。
その後、徐々にレストランでの提供が広まり、ケチャップやトマトソースが大衆的なものとなった頃に、ナポリタンが一般家庭でも親しまれる味となったのです。

こうして生まれたナポリタン、今では多くのひとに愛され続けています。
『京橋モルチェ』でも、イートインメニューで「昔ながらのエビナポリタン」が提供されているので、戦後の食文化の発展に思いを馳せながら、お店でいただいてみたいですね。

さて、『特製南部鶏のカレー』（1,000円・税込）は、先ほども説明した通りカレー、鶏肉がそれぞれ真空パックになっています。

真空パックは、沸騰したお鍋で様子を見ながらしっかりと温めます。
特に、チキンのパックが茹でている途中で膨らんでくるので、様子を見ながら温めてください。
パックを開けると、食欲をそそる香りが一気に漂います。目を閉じれば、まるで『京橋モルチェ』の店内。いただく前から、期待が高まります。
あらかじめ炊いておいたご飯に、鶏肉をのせ慎重にたっぷりとカレールーをかけ完成です。

今回使用しているのは一般的な家庭のカレー皿ですが、その三分の二ほどの大きなチキンに驚きます。身がもっちりとしまっていて食べ応えがあり、ハーブやスパイスの風味豊かなカレーとよく合います。ルーの量も十分で、男性でも満足できるボリューム感です。

おうちで本格的な洋食が食べたい時に自信を持っておすすめできるテイクアウトですが、ホームパーティーなどのお持たせにも喜ばれそうな贅沢な一品です。当日午前までのご予約を忘れないでくださいね。

今回食べたテイクアウト
伝統のハンバーグ　1,000円（税込）
特製南部鶏のカレー　1,000円（税込）