Kyobashi TIMES

東京メトロ銀座線京橋駅の改札に直結したビルに位置する「世界食堂 Transit Table d’Or （トランジットターブルドール）」は、地下とは思えないほど開放感がある店内が印象的です。“世界食堂”という名前からわかるように、ジャンルにとらわれず多国籍な料理を楽しめるお店です。

席数120席の広々した店内にはテーブル、半個室、カウンターがあり、団体での利用はもちろんおひとり様ランチでも利用しやすく、さまざまなシーンで使えます。お弁当メニューは週替わりで、基本の構成は、ハンバーグ・サラダ・パスタ・カレー・日替わりの5種類で日によってソースや具材が変わるようです。

今回は、人気の「チーズソースハンバーグ」（800円）と、「サーモンのニース風サラダ」（800円）をセレクト。プラス100円でミニサラダかスープをセットにできるということで、スープを追加しテイクアウトしました（すべて税込価格）。
イートインにはコーヒーやティー数種のほかジュース2種類の約10種類のフリードリンクがつきますが、テイクアウトの場合は1杯ドリンクがつきます。飲みたいものを自分で注ぐセルフサービス制です。

まずは「チーズソースのハンバーグ」からいただきます。ハンバーグには見るからに濃厚そうなソースがたっぷりとかかっています。そのほかペンネアラビアータ、ブロッコリーとじゃが芋の温野菜、漬物がついています。

ハンバーグは粗挽きで肉感がたっぷり。割るとじゅわっと肉汁があふれてジューシーです。チーズソースの下にはクリーミーなマッシュポテトが敷かれていて濃厚な味わいですが、粗挽きの黒胡椒がぴりりと辛さと香りのアクセントとして効いています。
ご飯はもち麦入りでモチモチとした食感が心地よいです。

続いて「サーモンのニース風サラダ」をいただきます。レタスやパプリカ、紅芯大根、オリーブ、ゆで卵が入っていて彩りがよいです。

容器は深さがあり、満足度の高いボリューム感です。セットのドリンクと比較するとその大きさが分かりやすいですね。

容器の底に、サーモンと茹でたじゃが芋が入っていて、付属のドレッシングをかけてよく混ぜながらいただきます。ドレッシングはビネガーが効いていて酸味がありつつ、玉ねぎの甘みがあり、脂ののったサーモンによく合います。

ところで、「ニース風サラダ」と聞いてどんなサラダかを説明できる方はどれくらいいるのでしょうか。
ニース風サラダ（サラダ・ニソワーズ）発祥の地は、その名の通り南フランスのリゾート海岸地区、コート・ダジュールに位置するニースです。ここはフランスとイタリアの国境が近いことから、両国の個性が混ざり独特の食文化が生まれるエリアです。
この伝統的な食文化を守ろうという団体がニース風サラダ保存会「ラ・カペリーナ・ドル」だそうで、当保存会によると、ニース風サラダとは、本来トマト、アンチョビ、オリーブオイルの3つだけととてもシンプルなサラダだったようです。
時を経てレシピがアレンジされ元祖の定義が薄れていったため、ニース風サラダの定義を明確にするべく当保存会が発足したのだとか。
当保存会がいう「正しい」ニース風サラダとは、先に述べたトマト、アンチョビ、オリーブオイルのほか、固ゆでした卵、ツナ、わけぎ、黒オリーブ、バジルだそう。作り方は、サラダボウルの内側ににんにくをこすりつけて香りをうつし、味付けはオリーブオイルと塩のみというシンプルなものです。
サラダといえばビネガーと胡椒を加えたくなりますが、当保存会によれば加えない方が望ましいのだそう。もっと言えば、ニース風サラダと言うと、さやえんどうや「世界食堂」のように茹でたじゃが芋が入っているものを日本ではよく見かけますが、これは当保存会からすると「邪道」なのだとか。

ちなみにこの「邪道」なニース風サラダの生みの父は、現代フランス料理の基盤を作り上げたオーギュスト・エスコフィエだと言われています。

何気なく食べているニース風サラダの定義や原点には、イタリアとフランスの食文化、さらに現代フランス料理の父にまで通ずると知ると、味わい深くなる気がしますね。

追加でつけたスープも日替わりで、この日はブロッコリーのポタージュでした。ブロッコリーの香りが鼻に抜けつつクリーミーで濃厚な味は、さっぱり味のサラダと相性がよいですね。

ハンバーグランチやカレーランチなどお腹にたまるボリュームメニューもあるので、ヘルシー志向の方もガッツリ志向の方も一緒に楽しめるお店です。

今回食べたランチ
チーズソースのハンバーグ　800円（税込）
サーモンのニース風サラダ　800円（税込）
ブロッコリーのポタージュ　100円（税込）