Kyobashi TIMES

京橋駅から直結の「東京スクエアガーデン」地下は、コストパフォーマンスに優れた名店ぞろいです。サクッと立ち寄りやすいカジュアルな雰囲気で、和洋折衷バリエーションに富んだ店が立ち並び、連日近隣のビジネスパーソンでにぎわっています。

今回訪れた『花葵 別邸』では、なんと680円（税込）で10種類以上の弁当を店頭で販売しています。

同じフロアに本店があり、いずれもとんかつが名物のお店です。本店では、揚げたてのとんかつのテイクアウトも可能で、「ロースカツ弁当」（1,480円）、「ヒレカツ弁当」（1,480円）、特ロースカツ弁当」（2,000円、全て税込価格）。いずれもランチとしては高価格帯で“和豚もちぶた”の質の高さに期待できます。

お店自慢のとんかつや生姜焼きの入った「スーパー豚丼」、「名物 トンテキ」などの豚メニューが並ぶ中、「さばみそ」や「ハンバーグ」、「オムハヤシ」など、豚にとどまらず和も洋もありバリエーションは多岐に及びます。
店頭の大きなテーブルに10種以上の弁当が並ぶさまは、画力もあり、ランチをどこにしようかと物色している人たちの目に留まりやすく、つい足を止めて見入ってしまいます。

店員さんに人気メニューを確認すると、「豚の生姜焼き カニクリームコロッケ入り弁当」と「鶏南蛮弁当」とのこと。前者には、豚の生姜焼きのほか、カニクリームコロッケと唐揚げがつきます。お弁当のおかずの王道メニューが680円（税込）の弁当一つで3種も食べられるということで、お得感バツグン。人気なのもうなずけます。

まずは、主役級のおかず3種が入った「豚の生姜焼き カニクリームコロッケ入り弁当」をいただきます。

海苔の敷かれたご飯の上には生姜焼き、カニクリームコロッケ、唐揚げ、グリーンサラダ、玉子焼き、柴漬けがご飯が見えないくらいに敷き詰められていて、見た目だけでも満足感があります。 豚の生姜焼きは、ピリッと豆板醤が効いています。豚肉は専門店とあって柔らかく脂身も甘く、醤油と生姜の風味にバツグンに合います。豚肉の旨味が沁みた玉ねぎもご飯が進みます。

コクのあるクリームコロッケは、カニの風味もしっかり感じられる本格派です。味が濃い目の唐揚げと交互に食べ進めるとまろやかに中和されます。海苔の香りをまとったご飯も満足度を高めてくれます。

海苔の敷かれた弁当は「のり弁」という通称で昔から親しまれていますが、「のり弁当」を弁当の定番メニューとして定着させた店はどこかご存知でしょうか。 素朴ながら味わい深くて、親しみやすい「のり弁」は、老舗の弁当屋さんか、和食処から派生しているような気がしますが、生みの親は意外にも弁当業界の大型チェーンである「ほっかほっか亭」なのです。

昭和30年代に家庭で広まっていた、“のりおかか弁当”――醤油で味をつけたかつお節をごはんに乗せ、海苔で蓋をしたシンプルな弁当――給食がない時代、保存がききどの家庭にもある材料でつくれる“のりおかか弁当”は、多くの家庭の定番だったのだそう。これを1976年にほっかほっか亭が一号店（埼玉県草加市）を出店する際に、「のり弁当」として販売したところ、大ヒット。いまや、弁当のなかでももっとも手頃でスタンダードなメニューと言っても過言ではないほど、“のり弁”の名は広まりましたね。

のり弁にメインおかずが3種とサラダ、玉子焼きが組合わされたこの弁当は、世代を問わず愛されそうな弁当です。

お次に「鶏南蛮弁当」をいただきます。
鶏南蛮の衣はしっとりと柔らかく、甘辛いタレが沁み込んでいて身はとてもジューシーです。
上に乗せられた目玉焼きは、黄身はレアでありながら白身の外側はカリっと、表面はムチッとした絶妙な焼き加減です

自家製のタルタルソースもたっぷりと添えられていて、満足感があります。直接かかっていないので、まずはそのまま、次はタルタルソースをかけて、その後目玉焼きの黄身にディップして……と3通りの食べ方を楽しめます。新感覚の“親子丼”と言えますね。

鶏南蛮の下にはグリーンサラダも入っていて、野菜の瑞々しさで飽きずに食べ進めることができます。ご飯は、大盛り1杯分は入っていそうなボリュームでしたが、おかずが充実しているので、むしろバランスのよい量に感じました。

さらに、なんと味噌汁は20円でプラスすることができます。出汁の香りもしてほっとする味わいです。

チェーン店さながらのコストパフォーマンスと種類の豊富さで、ランチが楽しくなりそうな穴場のテイクアウトです。

今回食べたテイクアウト
豚の生姜焼き カニクリームコロッケ入り弁当　680円（税込）
鶏南蛮弁当　680円（税込）