Kyobashi TIMES

和食を基本とした店舗を経営する僖成（きなり）グループ各店が提供する、こだわりのメニューを集めた新店舗「僖ニ成ル食 京橋」が2021年9月1日に京橋エリアにオープンしました。
東京メトロ銀座線「京橋駅」6番出口から徒歩2分とアクセスが良い場所にあります。
清楚で気品も感じられる店構えに、白い暖簾が凛とした印象です。高級感もありながらガラス張りの入り口は開放感があり、気構えすることなく入りやすい雰囲気です。

テイクアウトメニューは「僖ニ成ル弁当」（850円・税込）の1種類のみですが、内容は日替わりなので行くたびに新しい味に出会えます。
テイクアウトの場合、注文をしてから作るため少し時間がかかるとのことだったので、事前に電話予約をしてお店に向かいました。
この日お店に着いたのは12時前とランチのピークタイムでしたが、事前予約のため待ち時間なしで作り立てを受け取ることができました。

さっそく、「僖ニ成ル弁当」をいただきます。

この日のメインはバター醤油味の「ポークソテー」でした。厚切りですが歯ですっと噛み切れる柔らかさです。脂身はぷりぷりとした食感で、甘みを感じます。噛むほどにじゅわじゅわと溢れる豚自体の甘みやうま味と、バターのコクとリッチな香り、醤油の香ばしさが合わさり、まさに三位一体の美味しさです。そこに、あさつきの辛味と香りが全体の優しい味わいを締めてくれています。
“バター醤油のポークソテー”と聞くとコッテリとした印象に思えますが、こちらは和食を極めた僖成グループということもあり、くどさや嫌みのない繊細な味わいです。

ご飯の上にポークソテーが乗っているので、ポークソテーの汁がご飯に染みて、箸が進みます。冷めてもしっとりと柔らかくおいしく食べることができて、感動しました。

サラダは、レタス、トレビス、ミニトマト、水菜の上に、人参のドレッシングがかかっています。ドレッシングのほのかな甘みが野菜との相性が良く、素材の味を感じられます。

うずまきのように巻かれた蒸し鶏は、穏やかな塩味で食べやすく、周りの脂身がぷりぷりで身はとてもしっとりしています。
やや甘めの卵焼きは、酒の旨味のきいた和食屋ならではの安心感のある美味しさです。
ぬか漬けは、シャキシャキとした食感が小気味良いきゅうり、酸味の効いた大根、香りの良いゴボウの3種です。

メイン以外の料理も少しずつ食べられて、お得感がありますよね。
野菜・タンパク質・炭水化物がバランスよく摂れて、健康的なのに、肉もたっぷりと入っていて満足感もあります。

店内でランチをいただく際には、僖成グループ11店舗の人気メニューを味わえます。各店の料理人が持ち寄った料理を一皿ひとさらに演出し、各々の特色と味を愉しんでいただけるようにと職人の心技、おもてなしを提供しています。

メニューは、新潟県佐渡島の魚介を使用した「海鮮箱ちらし　七福」（2,500円）や幻の味噌を使用した「江戸味噌牛タンシチュー」（2,300円）、つるっとした喉ごしの自家製細切りうどんを使用した「坦々胡麻せいろ（1,500円）」など。メニューのバリエーションが多くて、どれも目移りしてしまいます。

店内では、着物姿の女性が対応してくださいましたが、上品で高級感のあるお店の雰囲気をグッと引き上げていました。
現代では着物を日常的に着る機会は少なくなりましたが、着物の柄にはそれぞれ意味があることをご存知でしょうか。縁起が良いとされている着物の柄を2つご紹介します。

1つは、「鶴」。「鶴は千年」といわれているように長寿をイメージさせる鶴は、長寿と夫婦円満を象徴する柄。結婚式の色打ち掛けで使用されることが多いです。
打ち掛けとは、掛け下と呼ばれる着物に帯を締め、その上から羽織る裾が長い着物のこと。オール「白」で統一した白無垢（しろむく）に対して、色がついた鮮やかなものが「色打ち掛け」と呼ばれています。

もう1つは、「松竹梅」。冬であっても緑の葉を絶やさない「松」、まっすぐと育つ「竹」、冬の終わりにいち早く花を咲かせる「梅」をあわせた松竹梅は、忍耐力や生命の誕生を象徴する柄。結婚式に使われることも多いですが、出産祝いや子供のイベントに着るのがおすすめです。

洋服が一般的になった現代だからこそ、着物文化に触れると日本の良さを改めて感じられます。

料理だけではなく、服装や接客、インテリアなど、細かいところにまで手が行き届いている「僖ニ成ル食」のメニューを、テイクアウトでは850円で味わえるとは、なんとも得した気分でした。


今回食べたテイクアウト
僖ニ成ル弁当　850円（税込）
※お弁当の内容は日替わりのため、内容についてはお店にお問合せください。